「怒る」ことの悪循環
なぜ「怒る」ことがいけないのか?
「怒る」ことは、「繰り返す」ことで、さまざまな症状を生む。
2次・副次的症状を生む可能性があるからである。
2次・副次的症状とは?
回避症状 … 活動を始めない
(失敗を恐れて、叱られる、注意される事を恐れる)
不正症状 … 失敗するに対抗して、逆に不正を働く(嘘をつく)
退行行動症状 … 赤ちゃん返りをする
テレビ中毒症状 … 現実逃避の結果、TV・TVゲームの世界へ
攻撃性症状 … AD/HDは、よくキレる・暴力を振るう。
問題児扱いされれば、誰でも攻撃性は出てくる。
合理化症状 … 他人のせいにする。
これらの症状は、勝手に進行したりしない。
「怒る」ことの悪循環
→ 「怒る」
| ↓
| 2次・副次的症状が進行する
| ↓
| 軽度であるが故に、普通に理解できるはずなのに
| 出来ない自分に辛くなる。
| ↓
←- 周囲の大人(先生・親など)は、「何度言っても
聞かない。性根の入っていないやつだ」とらえる。
「怒る」ことにこそ問題がある。
無知の先生(親)が無知の対応をすると、尚問題は大きくなり、
結果的に進行する。
この悪循環をとめるためには、個性をどう伸ばすかを考えた上での
対応が不可欠
・多動を伸ばす方向性 … 情報が飛び交う時代の中、
落着きのない位がむしろ、付いていける
可能性がある。
・衝動を伸ばす方向性 … しゃべりすぎて、地位を得られる職業も
ある。(さんま、黒柳徹子)
かといって、「怒ってはいけない」「怒らない」訳ではない。
当たり前であるが、先生も「人」であり、時には感情的に「怒る」ことも ある。
怒ったあとは、しっかり抱きしめて、フォローすればよい。
じゃあ、いつも怒って、フォローすればよいか? ← イイワケナイ!
怒らなくても良いように育てるのが、教育スキルを身につけた先生である。
よい「怒り方」
・「叱る」こと
・「悟す」こと
あっさりと、要点のみで、的確に、代案を提示する。
ひきずらない、くどくどいわない。
注意・叱責・怒るは「その場限りの効果」であることを先生(親)は知ること。
・なぜ持続しないか?
脳を閉ざすから。入力されても、脳を守るため、忘れていこうとする力が
働くから。
・持続させるには?
適度な緊張感を保つ。
恐怖を感じさせてはダメ。好きな人に”ここをなおして”と言われたら、
すぐなおる。
それでも「怒ってしまう」のはなぜ?
結局、人間は弱い生き物だから、仕方ないとの言い分もあるが、
「怒る」ことで自分の心を満たしているので、満たそうとしているのであれば、
教師(親)としては、失格。
(ある幼稚園の講演会でのお話)
- 最終更新:2008-12-01 18:36:53