ある息子さんの言葉

「高校だけがすべてじゃない。輝いている人は自分の好きな事を楽しくやっている人だ。
あいつに欠けているのは自立心だ。それはお母さんが全てレールを敷いて、
失敗する前に手を出してきたからだ。だから挫折した時立ち上がる力がないんだよ。
それと家の中に癒しのムードがない。家の中で楽しめないし、良い時だけ評価するし、
できて当たり前の雰囲気があった。

自分もそれで苦労した。

自分には他に取り柄がなかったから、最終「勉強」させたいと言う
お母さんが求めるベクトルと自分の向かうベクトルがたまたま一致したから、
波乱が起きなかっただけだ。

だから俺にはあいつの気持ちがよくわかる。

お母さんに言われて進んだ道はたとえ成功しても達成感が得られない。
言った人の手柄になってしまうんだよ。
だからおれも未だに自信がない。
『秀才の行く大学に行っているのに何でそんなに自信がないんだ』と友達からもいわれる。

これじゃあだめだと気付いて自分なりに行動しても、小さい時からの価値観の植え付けで、
いつもこうあらねばならないという自己像と戦っている。

だから大学院受験に落ちた時、自己像と違う自分が認められなくて苦しんだ。

本当にやりたかったことなのか疑問に思っておかしくなりそうで、
何も手がつけられなくなった。

あいつに自由を与えてやってくれ。頼まれたことは100%してやって、
頼まれないことは何もしないこと。それだけ。

構いすぎなんだよ。心配しすぎなんだよ。
あいつはあいつで自分のことだからちゃんと考えるってなんで信じてやれないんだ。

親が一喜一憂して心配そうな顔で腫物を扱うようにしていたら、嫌でも目をそむけられん。

とにかく何もしないこと。
お母さんは自分の楽しみを見つけてあいつを見ないぐらいにした方がいい。

一人暮らしをさせているくらいのつもりでいい。

頑張っているあいつだけではなく、頑張れないでいるあいつも受け入れてやらねば立ち直れない。」

  • 最終更新:2010-09-06 22:59:50

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