鈍行列車

脳が著しく発達する時期が二度ある。
まずは3歳まで。
そして、10歳からの思春期の時期だ。

この思春期には価値観が頗るひっくり返る。

彼らの思考がどう変化するか。

今まで疑うことなく頑張って培ったことに
無意味さを感じる。
読書より、友達とのメール・電話。
内申点よりも、友達・異性からの評価。
勉強ができることよりも、異性にもてること。

努力すれば幸せが手に入ると思っていた
親がのぞむかわいい時期を超え、
何事にも疑問を感じ、矛盾を感じる。

程度の差こそあれ、
起こるべく思考にたどりつく。

思春期の女子は、容姿を気にする。
それまでひたすら学業に頑張っても、
あるとき、ホルモンのいたずらで、
「かわいくないと意味がない」と思う。
課題の数を数えるより、ほくろの数を数え、
また増えたといい 泣く。
かわいく見えることに全神経を注ぐ。
全く異常ではない。

また男子は、勉強ができたところで、
人生、
「女にモテなきゃ意味がない。」などと思う。
山田詠美の
「ぼくは勉強ができない」という本がある。
主人公は、勉強ができない。だが・・・
思春期にはぴったりの内容だ。

朝までメールできる異性がいる。
異性が自分を 認めている。
一時、またしばらくは、勉強どころではないだろう。
自分という中身も外観も知ってる異性からの
やりとりで、自分がどれぐらいの価値があるのかを
知ることができるからだ。
そして鋭いセンサーを持つようになる。
やりとりに間があけば、相手が飽きたのか、と疑い、
次のやくそくをこじつけただけでも
この世を手にしたかのような喜びを感じる。

勉強で自分を認めてもらうより、
友達や異性に認めてもらいたい。
男として、女として、自分の中で、
自分というものを位置づけるまでに、
格闘する日々。

これが人生の勉強でなくて
なんなのだろう。

母親は、
わが子は、魅力があるって証拠なのねと
前向きに考える。

恋は約束違反ばかりをひきおこす。
それは、当たり前だ。

高校生のこの手の解決策として
罰則は有効ではない。
恋に時間制限などない。

遅刻するほど、自分探しをしている。
心配性の母親は嘆くかもしれないが、
全然、普通に成長している。

親はわが子には急行列車に乗せて
目的地に早くたどりつかせようとする。

鈍行列車に乗ることを 子供が選んだら、
それを見送ることが大切だ。
鈍行列車は遅い。
しかし、急行列車とは違い、
景色はよく見えるし、味わうことができる。
そして、
時に、途中下車して、そこの人たちと
触れ合うことも また よい。

人生も同じだ。
急行で行くか、鈍行で行くか、

子供が決めればよい。

  • 最終更新:2008-12-08 12:39:31

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